山林守る知識、新島さん出版 枝打ちなど解説

 奥多摩町小丹波在住の新島敏行さん(75)が、枝打ちなど林業の知識と、森の環境を守るための知恵を伝える本を出版した。林業の衰退により、荒れる一方の山林を前に、伐採や植林を行うボランティアの指導者を養成してきた新島さん。「もっと林業や山の環境の重要性に関心を持ってほしい」と呼びかけている。

  新島さんは、国土緑化推進機構から「森の名手・名人」に認定されている。同町で育ち、小学3年から、林業に従事していた父親の仕事を手伝い、15歳からは本格的に父親が所有する山の世話をしてきた。

  町内の精密機械会社を退職した後は、同町にある「体験の森」で森林関係の講座で講師を務めたことをきっかけに、森林ボランティアの指導者を養成するようになった。1996年に林業スクールを発足させ、2年後に「新島林業塾」と名称を変更した。塾生は会社員ら約20人を数え、3年前に全員に修了証が渡された。その後も塾では指導を続け、メンバーは月に1回程度、山に入って活動している。


  出版を思い立ったのは、危険を伴う山仕事の基本を教える手引書がなかったため。04年に「プロが教える森の技・山の作法」を出版し、今年4月にその続編を出した。どちらもA4変型、72ページ、1500円(税別)。発行は全国林業改良普及協会(港区)。

  内容は、第1作がナタやノコギリなど道具の使い方と研ぎ方をはじめ、間伐方法や休憩所の作り方など。続編が丸太運びや枝打ちのやり方のほか、動植物を呼び込むために土のうで堰(せき)を作るといった、山の環境づくりの必要性を紹介している。両編とも多くのイラストが掲載されている。
  最も大切なこととして強調されているのは枝打ち。節のない1等材を育てるために欠かせない。新島さんは「知識のない者に枝打ちさせると、木々は『なぜ、そんな切り方をするのだ』と怒る」と話している。

 

写真=山仕事の技をまとめた本を出した新島さん
     (奥多摩町で)



   
 (5/15・読売新聞多摩版記事より転載 )