読売新聞立川支局と「多摩さくら百年物語フォーラム」による遊学塾「秋の農大演習林で学ぶ」が29日、奥多摩町の東京農業大学奥多摩演習林で開かれた。参加者28人は、同大地域環境科学部森林総合科学科の菅原泉准教授の案内で、約4時間かけて奥多摩の森林を見学した。
同演習林は、秩父多摩甲斐国立公園内に位置し、約156ヘクタールの敷地内には、ブナやミズナラなどに加え、カエデ科の植物が豊富に生えている。その一方で、1000〜3000頭は生息しているとされる野生のシカによる食害で野草などが食い荒らされ、多様性に悪影響が出ているという。
菅原准教授は、食害対策のために高さ約4メートルの網を張った場所では、ほかの場所に比べて地面に豊かな緑が広がっていることを紹介し、「シカがいなければ、たくさんの植物が生えているはずなのです」と語った。
演習林に自生する種々の植物についても説明。一見すると違いが分かりにくいヒノキとサワラの見分け方について、菅原准教授が「葉の裏側を見て、Yの形をした白い筋が入っているのがヒノキで、XやWの形をしているのがサワラです」と教えると、参加者は実物を見比べて、「なるほどね」と感心した様子だった。
参加した八王子市片倉町の森山誠さん(64)は「シカはかわいいイメージだけど、山林を守る立場から見ると邪魔者だということがわかった。共存できる方法が見つかればいいですね」と話していた。
写真=シカによる食害の跡について説明する菅原准教授(右)  |