湧水豊かな国分寺崖線
豊富な湧水(ゆうすい)に恵まれた国分寺崖線(がいせん)を舞台に行われた多摩さくら百年物語フォーラムの6月遊学塾「ハケの道散歩」。国分寺市の環境省名水百選に選ばれている「お鷹(たか)の道・真姿の池湧水群」をスタートし、散策をしながら、水環境を守るための地道な努力の大切さを学んだ一日を紹介する。
国分寺崖線は多摩川が現在よりも北側を流れていたときに出来た河岸段丘(ハケ)で、武蔵村山市から大田区にかけて延長は約25キロもある。高低差が15メートルほどある所もあり、地下水がわき出ている場所が20か所以上。そのうちの10か所以上が「お鷹の道」周辺に集中している。
今回は「ハケの自然を守る会」の代表の伊藤脩さんらメンバーの解説を聞き、周囲を散策した。西国分寺駅から崖線を下り、病気に苦しむ女性が池の水で身を清めたところ、美ぼうを取り戻したという伝説が残る真姿の池に到着した。池に流れ込んでいる小川に注ぐわき水は、前日の雨のために、普段より勢いがよく水量も多かった。
付近でわき出した地下水は地元で「清水川」と呼ばれる小川に流れ込む。ここでは毎年、ホタルが見られる。伊藤さんは、「地元の人たちが、水が汚れないようにしたり、カワニナを育てたりして、ホタルが生息出来る環境を守っています」と説明。また、きれいな水は、昔から多くの人の往来を促し、近くには武蔵国分寺僧寺跡など多くの史跡が残る。
お鷹の道の名前の由来は付近が尾張徳川の鷹場だったことだが、伊藤さんらの「殿様が狩る動物の数を確保するために、畑を荒らす動物を捕らえることが出来ず、地元の人にとっては負担も大きかった」、「奈良時代に武蔵国分寺が造られたころには、すでに豊かなわき水が出ていた」などという話に、参加者らは熱心に耳を傾けていた。
八王子市から参加した前田利朗さん(55)は「きれいな水がたくさんわいているのに驚いたし、川の手入れをしている人たちに感心した」。また、福生市の細谷恵美子さん(67)も「豊かな自然を楽しむだけでなく守っていく大切さを感じた」と話していた。 |