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◇多摩さくら百年物語
◆遊学塾「梅の香り漂う早春の里山散歩」 樹皮の模様…縦線コナラ、網目クヌギ
里山の風情を残す日野市の七生丘陵を散策しながら早春の息吹を感じようと開かれた2月の遊学塾「梅の香り漂う早春の里山散歩」。あいにく朝からの冷たい雨にたたられたが、自然観察指導員の守屋龍男さん(66)(立川市)をガイド役に、里山の現状や役割、木々の見分け方を学んだ一日を紹介する。
先月26日、京王線高幡不動駅に集合した一行は、高幡不動尊を参拝したあと、守屋さんを先頭に、スタジオジブリのアニメ映画「耳をすませば」の舞台になった丘陵を登り始めた。
道の両側には一戸建てが並んでいるが、かつては、ここにも里山が広がっていたという。開発が進んだとはいえ、所々に残る大きな樹木や畑が、その面影を残している。
大きな木に巻き付いているテイカカズラのツルを指さした守屋さんが、「歌人の藤原定家を題材にした能『定家』では、死後も愛した女性を忘れられない定家がテイカカズラになって墓に巻き付く場面に登場します」とテイカカズラにまつわる話を紹介した。
さらに登ると、ブナ科のクヌギとコナラが増えてくる。いずれも、多摩の里山の中心的な樹木で、徐々に里山らしくなってきた。守屋さんは、「樹皮が、縦に線が入っているのがコナラ。網目模様がクヌギ」と見分け方を解説した。
数百本のシイの木などの常緑樹で囲まれた百草八幡神社で、守屋さんは「農耕が始まった弥生時代ごろから、火をつけるために落ち葉を活用できる落葉樹を植えたのが里山の始まりです」と里山の起源を話し、日本に元々あった常緑樹の林は東京では神社周囲の鎮守の森くらいにしか残っていない現状を説明した。
国も近年は、里山保全に事業として取り組み始めており、守屋さんは「生態系の維持や、心の癒やしのためにも里山を大切にしたいですね」と話した。
その後、京王百草園に場所を移し、矢島誠二副所長から園内の梅の説明を受けた。今年は、寒さのせいで梅は例年より約1か月遅れ。ヤエカンコウなどの早咲きのものは七分くらいの咲き具合だが、全体としては三分咲き程度。矢島副所長は、一本の木に「赤」と「白」両方の色の花を付ける「オモイノママ」などの特徴的な梅の種類を解説した。同園の見ごろは3月中旬ごろになるといい、参加者は寒い一日を、温かい甘酒で締めくくった。
山歩きが趣味の東村山市、加山和子さん(65)は「身近なところにある里山の自然が新鮮だった」。東大和市、神谷久さん(64)は「里山の保存活動などの話が参考になった」と話していた。 |