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絶滅危惧種も生息 アサリのみそ汁から環境知る 河口付近
川と海が豊かな自然をはぐくんでいる多摩川河口付近を舞台にした3月の遊学塾「江戸前の味は多摩川の恵み」。「海辺つくり研究会」の木村尚事務局長をガイド役に、絶滅危惧(きぐ)種の生息地を見学し、海の幸も楽しんだ。多摩川の恩恵を再認識して、様々な環境変化を知った一日を紹介する。
川崎市川崎区の京浜急行大師線・小島新田駅に集合した参加者40人は、一帯の多摩川の河口部について木村さんから、「東京湾でも最も豊かな漁場だった」と説明を受けた。確かに、資料として配られた1960年撮影の航空写真には、数え切れないくらいのノリを採る船が川岸につながれていた。多摩川の流れが運ぶ養分がプランクトンを育て、良好な漁場を作ってきた証拠だ。
最近になってアサクサノリの自生が確認された場所を訪れた。東京湾のノリは63年に養殖業者が漁業権を放棄して姿を消し、特に環境省などのレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されているアサクサノリの確認は、自然の力の奥深さを認識するに十分なニュース。アサクサノリを目にすることは出来なかったが、ヨシが生い茂った一帯の風景は、平凡だが多摩川の持つ力を強く感じさせていた。
500メートルほど上流の多摩川唯一のトビハゼの生息地では、引き潮の際に泥から、時々、顔をのぞかせる愛らしいトビハゼに参加者から歓声がわいた。こちらも湾内では、絶滅の恐れを指摘されている地域個体群だ。木村さんたちはトビハゼの生息環境について調査しているが「川の水がきれいになることで多様な生物が生息できるようになる。そのためには上流と下流の連携が大切です」と話した。
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約2時間の散策のあとは、羽田文化センターに移り、アナゴやハゼのてんぷら、アサリのみそ汁とアサクサノリの煮物と、「江戸前の味」を堪能した。参加者は舌鼓を打ちながらも、地元の漁師亀石幸弘さん(49)から、「みそ汁のアサリが大きいものだけでそろっているのは、次の世代が育っていないということ。手放しで喜べることではない」など、江戸前の味を巡る話を聞いた。
付近では大きなミル貝や上海ガニがたくさん生息していることが見つかっているという。原因は、水深が深いところは漁が禁じられているため発見されなかったり、外国船が排出した水の中に卵が含まれていて生息するようになったりしたと考えられるという。
「環境にとって良い悪いを考えるためにも、いろいろな変化が起きていることを知ってもらいたい」と亀石さん。参加者は「おいしい魚をいつまでも食べられるために、まずは川を大切にしないと」と話していた。
今回の遊学塾は、多摩信用金庫が企画する「多摩らいふ倶楽部(くらぶ)」と共催で行われた |