11月遊学塾詳報 里山の役割、歩いて学ぶ 

参加者28人、自然を満喫 

 11日に開かれた「多摩さくら百年物語フォーラム」の遊学塾「紅葉の天竺山と里山散策」は、あきる野市横沢入地区を舞台に日本の原風景ともいえる里山の大切さについて学んだ。28人の参加者は自然観察指導員の守屋龍男さん(66)のユーモアを交えた説明を楽しみながら、自然と親しむ一日を過ごした。

 横沢入地区の里山は緩やかな谷戸(やと)と丘陵部からなり、かつては水田や畑で耕作が盛んに行われていた。1990年代には、JR東日本による分譲住宅地の開発計画が浮上したが、同社が開発を断念、都に無償譲渡した。都は譲渡された約41ヘクタールを含む約49ヘクタールを今年1月、都の里山保全地域の第1号として指定し、整備を始めている。

 守屋さんは参加者に、同地区の里山について、「三方を山に囲まれたくぼ地で、約100枚の水田があった。谷から集まったり、コナラなどの木が蓄えた水が田んぼを潤していた」と説明。「木を切り倒して団地を造ると、その機能が失われてしまう」と、一時は消滅の危機にさらされたことを訴えた。さらに、里山の役割として、水源かん養能力だけでなく、遊びを通した心身リフレッシュ効果を挙げ、ストレスの多い現代人の癒やしも担っていることを指摘した。

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 守屋さんは豊富な知識を基に同地区の植物について「ミズキは伸びた枝の数を数えれば、だいたいの木の年数が分かる」「カラスウリはカラスでなくヒヨドリが食べる」などとうんちくも披露。立川市の自宅近くで採取したカラスウリの種子を参加者に手渡し「大黒様に形が似ているので、財布に入れると、お金が増えると言われてます。私は昨年、入れてみましたが、全然増えませんでした」と話すと、参加者が思わず吹き出す場面もあった。

 

 

 また、里山の水に支えられホタルが生息し、ムササビの住みかにもなっている一方、中国から愛玩(あいがん)用として入ってきたガビチョウが野生化している現状を解説すると、参加者はうなずきながら聞き入っていた。

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  当日は雨が降り続く、あいにくの天気だったが、武蔵村山市中央の高橋保子さん(72)は「雨も自然の一部だから、気にならなかった。人間は自然と共生しているというけれど、知らないことが多くて勉強になった」と話した。小平市仲町の嶺登美子さん(62)は「稲が植えられ、ホタルが飛んでいた昔の風景を見てみたい」と今後の保全活動に期待を寄せた。守屋さんは「一つの生態系を形作っている里山の魅力を多くの人に知ってほしい。里山には、季節ごとの良さがあり、ぜひ来てほしい」と話していた。
   
 (11/20・読売新聞多摩版記事より転載 )