奥多摩で体験型講義
林業の衰退とともに、管理が難しくなっている森林の現状を学ぼう――。荒天の影響で、今月8日に延期された9月の遊学塾「林業を知り 森の未来を考える」では、奥多摩町の山林を舞台に、森林の持つ役割と林業とのかかわりを学んだ。14日に行われた10月の遊学塾「親子で草遊び」の様子と併せて紹介する。
■荒天続きで延期
9月に予定されていた遊学塾「林業を知り――」は、悪天候続きで、現地のコンディションの回復が見込めず延期された。8日は、秋空に恵まれ、JR古里駅に集まった28人の参加者は、奥多摩の緑と空気を満喫しながら、会場となるスギ林まで徒歩で移動。山仕事の技術を次代へ伝える活動を行っている「新島林業塾」主宰の新島敏行さん(73)、林業家の原島秀雄さん(68)を講師に、原島さんが所有する約2ヘクタールのスギ林で、参加者は、幹に聴診器をあて、木が水を吸い上げる音を聴くなど体験型の講義を受けた。
■苦しい林業
スギ林で原島さんは、「山の上の方は、50年近く前、私も植林を手伝ったところ。売れる状況でもないため、伐採せずに残している」と、安い外材に押されて厳しい林業の現状を解説。山林地主の多くは1ヘクタール以下の規模で、それでは生業として成り立たないが、「損得にかかわらず手入れはしなくてはならない」と自然まかせでは維持できない山林の姿を説明した。
その上で、酸素供給源としての山林の役割を話し、「環境財として山林を見直し、人の育成と併せ、団地化、公有化して維持管理していく必要がある」と訴えた。
■立ち枯らし法
次に、新島さんは、方向を定めて周囲の木にひっかからないように行う間伐を実演して見せた。木が、周辺の木に触れずに地面に倒れる“プロの技”に、参加者からは思わず拍手があがった。しかし、新島さんによると、この間伐の技術も後継者難で継承が難しくなっているという。
新島さんは、熟練の技と間伐材を運び出す人手が必要ない「新島式立ち枯らし方法」を提唱している。この方法は、樹皮を腰の高さほどの部分からはがすだけで、周囲の木への光を遮る枝や葉が次第に枯れるため、間伐と同じ効果が得られるという。
この方法で管理しているスギ林では、地面まで光がまんべんなく差していた。新島さんが「子供でも、できますよ」と話していた。
自然を守る姿を見ようと参加したという多摩市の佐藤恒夫さん(65)は「山林の管理の難しさや、管理に様々な工夫と試行錯誤が続いていることが分かった」と感想を語った。

草遊びに夢中 10月遊学塾グラフ
14日に立川市の多摩川緑地で行われた「親子で草遊び」には、親子連れなど11人が参加。立川自然観察友の会会長の鈴木功さん(76)から、草花を使った遊びを教わった。参加者は、カタバミの葉で10円玉を磨くと化学変化できれいになる“不思議”に驚き、コセンダングサの実を使ったダーツ遊び、チガヤの葉を飛ばし距離を競う遊びを楽しんだ。いずれも、鈴木さんが子供のころから親しんできた遊びで、「多摩川沿いには材料となる草花はたくさんある」と話していた。


立川市の根本真吾君(9)は、「多摩川には釣りに来たりするけど、草を使った遊びはしたことがない」と新たな遊びとの出会いに目を輝かせていた。また、クズのつるを編んでカゴ作りにも挑戦。やや不格好ながらも完成すると、満足そうな笑顔を見せていた 。
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