奥多摩町日原の山中にカスミザクラやヤマザクラなどの原生種47本が群生していることが、巨樹の会(平岡忠夫さん主宰)と同町森林館(原島信三館長)の共同調査でわかった。原生種が狭い範囲に集中的に残るのは珍しいという。同会などはほかにも現存していると見て、今後も調査を続ける。
奥多摩町日原の山中で発見されたサクラの原生種群生が発見されたのは、標高1045メートルから1195メートルまでの尾根で、長さ275メートル、幅90メートルの範囲にわたる。サクラは47本あり、樹齢が推定50〜100年で、樹高が7メートル〜22メートル、幹回りが0.4メートル13.39メートル。中には、幹回りが2メートルを超える巨樹7本もあり、発見場所を「桜尾根」と名づけた。
巨樹の会の樋口智昭さん(43)が数年前に発見、今年4月から巨樹の葉を採取するなどの調査を始めていた。同会の真田稔さん(69)が、葉の形、葉の脇に生えている芒(のぎ)と呼ばれる細かい毛、葉柄の毛などから品種を調べたところ、標高の高い所にカスミザクラが6本、中間域にヤマザクラが5本、低い場所にオオヤマザクラが2本と判明した。残りの34本はこれらが自然交配して変異した種類と考えられている。
今回の調査について、平岡さんと真田さんは「種子から育った実生(みしょう)と思われる原生種が、これだけ集中的に群生しているのは貴重だ。中間域の個体変異したサクラも新しい品種の可能性があり、研究価値が高い」と興奮気味に話す。今後、DNA鑑定するなど、さらに詳しい調査を続けるという。
(6/1・読売新聞多摩版記事より転載
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