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紅葉の仕組み、シカの食害…奥多摩の森で考えた2日目
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快晴の青空、黄色や赤色に色付いた山肌――。12、133の両日、奥多摩町氷川の東京農業大学演習林で行われた「多摩さくら百年物語フォーラム」11月の「多摩さくら遊学塾」は、絶好の散策日和だった。7月に続いて2回目となった同演習林での遊学塾「秋の森の自然観察会」は、夏の様相から一変した森の中で、 参加した30人は、同大森林総合科学科の菅原泉助教授の自然の解説を聞き、夜はいろりを囲んで談笑した。
JR奥多摩駅からバスで同演習林の研修所に到着した一行は、午前11時に出発し、緩やかな林道を登った。演習林は156ヘクタールの広大な敷地にスギ、ヒノキなどの人工林やミズナラ、カエデなどの天然林が広がり、標高も650〜1452メートルと起伏に富む。菅原助教授が沿道の草木の見分け方などを解説。参加者は根粒菌のオレンジ色の粒や、可憐(かれん)な小さなムラサキシキブにカメラを向けながら進んだ。
30分ほど登ると、森が切れて、目前に奥多摩の山々が広がる。どの山も紅葉で染まり、赤や黄色、オレンジ、緑のパノラマに歓声を上げた。
すかさず菅原助教授が「赤い色と黄色い色では紅葉のメカニズムが違います」と解説。黄色を生み出すカロチノイドは、もともと葉に存在するが、赤を生み出すアントシアンは秋に大量発生するのだという。
この日の行程で最も高い標高950メートル付近では樹齢300年近いクリの木も見た。あまりの太さに手をつないで幹周を測ろうとする人たちも。クマが木を登った際についたつめ跡もあった。
自然が直面する厳しい現実も目にした。沿道に樹皮がはがされている木が目につく。一帯は、下草がほとんどない。シカが食べたのだという。
「シカは本来は樹皮は食べません。食べる草がなくなってしまったのでしょう」と菅原助教授。シカが森林を食い荒らすと、表土が流されやすくなったり、森林の多様性が損なわれることにつながる。菅原助教授の「シカの数を減らすことは急務になっています」という言葉に、参加者の表情も厳しくなる。
研修所に戻り、山肌に染み出した地下水を引いてきた風呂に入る。夕食後は、研修所の離れにあるいろりを囲んだ。話題は自然環境から、旅の思い出まで多岐にわたり、夜がふけるまでうたげは続いた。
2日目は、人工林に多様性を高める実験場を見学した。スギの樹林に、まだ丈が低いヒノキや、シカがあまり食べないオオバアサガラが植えられている。木々の適正な配置などを調べているという。「人工林は、しっかり手入れをすれば天然林に負けないくらい多様で安定したものになる。豊かな自然を次世代に残すためにも力を入れなければなりません」と菅原助教授は話した。
日野市から参加した松田浩さん(65)は「シカの食害が想像以上で驚いた」。また、7月の同演習林での遊学塾にも参加したという東村山市の赤石和子さん(61 )は「紅葉がとてもきれいだったし、夜に参加者同士で色々な話をすることができて楽しかった」とほほえんだ。
(11/16・読売新聞多摩版記事より転載
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