清流より・森の再生

 13日は「多摩みどり復活プロジェクト」の懇親会ということで、奥多摩町日原のエコツーリズム体験宿泊施設「ねねんぼう」に一泊して、巨樹の会、日原自治会など関係者らと交流を重ねました。

 「多摩みどり復活プロジェクト」は、本紙も参加している「多摩さくら百年物語フォーラム」の主要事業の一つ。日原の森でサクラの原生種やトチノキ、ミズナラなどの種を採取して苗を育て、森を再生しようと、今年から取り組み始めました。

 当日は約10人の参加者が2班に分かれ、種を植えた畑に防寒用のネットを張る作業と、種の採取用ネットを外す作業を行った。日原の集落は、日原川の深い谷を眼下に見下ろす山腹に家や畑が集まっている。平地は少なく、地元の人が「さかっぱたけ(坂畑?)」と呼ぶように、畑も傾斜している。立っていることすら容易ではないその畑に、寒さから種を守るネットを張りました。

 「シカの糞、見える?そこにあるでしょう」。足元を見ると、糞がそこかしこに落ちていた。目がくらみそうなほど険しい場所でも、シカは上り下りできるという。先人が営々と開墾してきた畑が、シカやサルに荒らされている現実。そして過疎化が進み、森に手間暇をかけられない現実。

 「日原をヤマザクラの名所にしたい」「奥多摩の森を再生して多摩川の水を守りたい」。夢の実現まで険しい道のりが続きそうだと、酔った頭で考えた。(西野芳明)

 

 (読売新聞多摩版記事より転載)